読書記録⑧:仮面の告白(★★★★☆)

読書

感想

文学オタの友人に「三島由紀夫は絶対読め、金閣寺が一番オススメだけど、最初に読むのは勿体ないからまずは別の本を読め」と言われて手にとった一冊。

結論、三島由紀夫が怪物であることがよくわかった。

「この告白によって、私は自らを死刑に処す――」という本の煽りは伊達ではない。
味気なく言ってしまうと、この本は三島由紀夫のカミングアウト本である。

今でこそLGBTに割と寛容な時代となったが、この本が刊行されたのは1949年、三島由紀夫は当時24歳、一体どんな覚悟でこの本を書いたのか私の些々たる想像力では到底計り知れない。
しかもこれが初の書き下ろし小説というのだから、絶句。

24歳とは思えない表現力、洞察力、教養をもって書かれていて、特に後半の自分の性的嗜好と正常(ママ)であろうとする心の葛藤は迫力があった。
そして何というか、乙女と童貞と猟奇がないまぜになっているような…私には知り得ない感情を三島由紀夫は持っていたらしい。

こういうのを怪作と言うんだろうな。

評価:★★★★☆

こんな人におすすめ

・名著を読みたい人
・三島由紀夫の世界を覗きたい人

良かった点

・圧倒される
・形容表現が素敵
・尖っている

悪かった点

・尖り過ぎているところはある

書籍情報

著者名:三島 由紀夫
出版社:新潮文庫
出版日:2020/10/28(原本は1949/7/5)
ジャンル:小説
ページ数:304ページ

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