感想
1774年に刊行されたゲーテによる書簡体小説。
(恥ずかしながら書簡体小説という形式をこの本で初めて知った)
のっけから誰が誰に宛てているのか不明な手紙から始まり、総じて読みにくい…古典ってムズカシイですね。
話の筋は、恋する青年が失恋して錯乱する話というもの。
書簡体小説なので、ベースはウェルテルが友人に宛てた手紙が書き連ねられるのだが、シャルロッテ(=恋している女性)関連の出来事で手紙のテンションが乱高下するのが面白い。
男性の方においては青春時代に思い当たるフシがあるかもしれない…ウェルテルが自分に陶酔しているところ含め笑
ウェルテルは恋が成就しないことがわかり自死(!)してしまう悲劇で終わるのだが、これが当時「小説といえば娯楽」というイメージを覆す画期的内容だったということで、ヨーロッパ中でベストセラーになったとな。
その人気たるや凄まじく、ウェルテルを真似て自死する人が増える社会現象となったらしい…ヤバい
その名残が「ウェルテル効果」という著名人の自殺によって引き起こされる自殺の連鎖を指す言葉に残っているそうです。
基本ナルシスト気味なウェルテルが「ああロッテ、君のことを考えない日はない!!」みたいなテンションの手紙を書く形で進みます。お好きな方は是非?
評価:★★★☆☆
こんな人におすすめ
・サクッと古典を読みたい人
良かった点
・古典を読んで教養が深まった!という自身がつく
悪かった点
・まあ中々読みづらいです
書籍情報
著者名:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
出版社:新潮文庫
出版日:1951/3/2
ジャンル:小説
ページ数:205ページ