読書記録⑯:失敗の科学(★★★★★)

読書

感想

Kindle Unlimited(読んだ当時)なので正直期待してなかったが、良い意味で裏切られた。

失敗を受け止め対策を考えることで進歩する、という内容を色々な業界の事例を用いて説明する本。
例えば、航空業界は失敗から学ぶ一方、医療・法曹業界は失敗を隠したり認めなかったりで進歩しない、といった形で展開する。

航空事故はミスを隠すことが困難だとか、事故時のデータを取得しやすいとかで、一概には医療・法曹業界とは比較できないが、一理あるなと思った。
ミスが他人の命に直結するので過ちを認めるのは大変だが、認めないと進歩しないというのもまた事実… それに比べるとIT業界での失敗なんかはまだ軽いもんですな…(基本)死にはしないので

第2章「人はウソを隠すのではなく信じ込む」は胡散臭い人に騙されがちな方に刺さりそう(刺さってほしい)。
カルト宗教の教祖が「世界が終わる」という予言を外した時、信者はどうしたかというと、なんと己が信心深いおかげで破滅を逃れたと解釈したらしい。
都合よく事実を曲げて解釈する認知的不協和の例が示されている、SNSでも似たような例を見るよね…

他にも、犯人探しをして責めても改善しないどころかむしろ隠蔽体質の元になるとか、最初から完全は無理なんだから早よ出して失敗して改善せい、などIT業界に身を置いていると頷ける話が多かった。

個人的には文句なしの良著。

評価:★★★★★

こんな人におすすめ

・主にビジネスパーソンだが、誰でも

良かった点

・「人は失敗から学ぶ」という大切な教訓を、実例を交えて語りかけてくれる
・小説のようにストーリーに引き込まれる

悪かった点

・特になし、推せる本です!

書籍情報

著者名:マシュー・サイド
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
出版日:2016/12/23
ジャンル:ビジネス書
ページ数:348ページ

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