読書記録⑪:残像に口紅を(★★☆☆☆)

読書

感想

人を選ぶ小説。
TikTokでバズったこともあって気になり購入したが、自分には合わなかった。

節ごとに一文字ずつ使用できる音が(地の文含め)消えていくというトンデモナイ設定。
これを1995年にやろうという発想に思い至ったのが素直に凄い。
この設定を楽しめるかどうかで好みがハッキリ分かれる本だと思う。

自分は小説の中に入り込みたいタイプなのだが、この設定が強すぎるがために文字の裏に著者の影がちらついてどうもダメだった。
当時は連載小説だったということもあって、節によってガラッと雰囲気が変わるのも苦手。

ストーリーでなく、著者の豊富な語彙力や音が失われると同時に消えていく人の刹那性を楽しむ本だと思う。
そしてこの設定、どっかで聞いたことあるなと思ったら幽遊白書の蔵馬VS海道だ(元ネタがこの「残像に口紅を」らしい)。

評価:★★

こんな人におすすめ

・風変わりな小説を読みたい人

良かった点

・1995年にこの設定を思いついて実際にやったのがすごい

悪かった点

・制約が強すぎて物語が破綻している
・節によって雰囲気がガラリと変わる

書籍情報

著者名:筒井 康隆
出版社:中央公論新社
出版日:1995/4/18
ジャンル:小説
ページ数:337ページ

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